レポート:ベアハンズ・レジデンシー・イン・バンドン 2025
- 2025年9月18日
- 読了時間: 3分
更新日:6 日前

2025年8月15日から9月15日までの1か月間、インドネシア・バンドンにてアーティスト・イン・レジデンス「Barehands Residency」に参加した。受け入れ先はバンドン工科大学(Institut Teknologi Bandung, ITB)であり、学内ギャラリーで成果発表を行った。
バンドンという土地が与えた影響
滞在中、まず目に飛び込んできたのは都市の矛盾であった。街路に散乱するごみや不均衡な都市景観は、福岡や日本の山間で育った自身の感覚からすると大きな違和をもたらした。一方で、パパンダヤン火山、ストーンガーデン・チタタ、カワプティ湖といった大自然は圧倒的な美しさと神秘性を示し、強烈な対照を成していた。都市と自然という二つの極端な風景を前に、私は「人間がどのように環境によって形づくられる存在であるか」を改めて意識させられた。






ランドスケープから鉄の線へ
こうした経験は、作品制作に直接的な影響を与えた。私はまず現地のランドスケープをリサーチし、即興的なドローイングを重ねた。その線の勢いや歪みをそのまま鉄に置き換え、アセチレンガス溶接を用いて鉄材を曲げ、空間に描くように立体化していった。
こうして生まれた作品《Stone Garden》は、自然から受け取った光や空気、匂いといった形のない感覚を、鉄の線を通じて可視化する試みである。それは必然と偶然のあわいに立ち現れる風景を探る実践であり、都市と自然が交錯するバンドンという場所だからこそ可能になった表現だった。




ワークショップ ― 学生との交流
滞在中には、バンドン工科大学の授業の一コマを使い、学生たちとのワークショップも行った。テーマは「金属加工の基礎」であり、アセチレンガス溶接による鉄材の曲げや接合の実演を通して、鉄という素材の可能性を体感してもらった。学生たちは初めて扱う工具や炎に緊張しながらも積極的に挑戦し、短時間ながらも小さな作品を仕上げていた。その姿勢に触れ、ものづくりのエネルギーが国や文化を超えて共通することを実感した。


展示と今後
最終的に制作した作品は、ITB学内のギャラリーにて展示された。鉄という硬質な素材を用いながらも、即興的な線の軽やかさや、光や空気の流れを造形として立ち上げられた手応えがあった。都市と自然の対照を抱え込むバンドンの風景を前に制作したことにより、自分の中で「環境が与える影響」と「素材を通じた表現」の関係をより強く実感することができた。
今回の滞在は、単なる作品制作にとどまらず、土地や人との関わりを通して思考を深める機会となった。この経験を日本での活動にも還元し、バンドンで得た感覚を基点に、さらなる表現の展開を目指したい。






展覧会のデジタルカタログは、下のリンクからダウンロードできます。
CAiRR 2025 present a Group Exhibition
“Re-aksi”
Reflect humanities role in environmental change. Reflecting on the current turbulent political situation in Indonesia. An invitation for the participants to re-examine and explore the environmental conditions from a different perspectives.
Budi Adi Nugroho | Darmawan Natsir | Fadli Mokhtar | Faizal Suhif | Hitoshi Kuriyama | Kazutaka Shioi
8th - 13th September 2025
09.00-17.00
Soemardja Gallery
Institut Teknologi Bandung, Jalan Ganesha No.10, Bandung 40132
Organizer:
Institut Teknologi Bandung (ITB)
Supported by:
Area Olah Karya (AOK)
Japan Foundation Jakarta
In partnership with:
Contemporary Artist in Residence and Research
Kyushu University, Faculty of Design
Akaldiulu
A.P Art Gallery
ASWARA
Friends of Barehands Residency:
Go Block
Chetak 17























コメント